渋谷区 「代々木・富ヶ谷」 「春の小川」は今どこに
唱歌「春の小川」のモデル・河骨川が流れていた代々木。今はのどかな田園風景は消え、住宅地へと姿を変えた。かつてさらさら流れていた「春の小川」はどうなったのか。川跡とその周辺を歩く。
0小田急線「参宮橋駅」下車
東京都渋谷区代々木四丁目
西口改札を出たら、左に進む。
「参宮橋公園」へ
すぐ先右側にある坂道を上がる。
道なりに進むと右側に公園がある。
道なりに進むと右側に公園がある。
1「参宮橋公園」大空が頭上に広がる
東京都渋谷区代々木四丁目
平成18(2006)年まで都営住宅があった跡地に造られた区立公園。周囲は住宅地で、しかも高台の縁という立地のよさからか広々とした感じがする。隣接する区の施設「はつらつセンター参宮橋」とつながっていて、トイレの利用もできる。
「FLOTO」へ
公園内を斜めに通り抜け、反対側の出入り口に向かう。
公園を出たら左に進み、坂を下る。
坂を下りきると、右側の角にスイーツショップがある。
公園を出たら左に進み、坂を下る。
坂を下りきると、右側の角にスイーツショップがある。
aFLOTO
東京都渋谷区代々木四丁目
ジェラートと焼き菓子の専門店。平成29(2017)年にオープン以来、地元で人気の店だ。店内にはカフェスペースもある。手作りジェラートはシングル(¥580)から。営業は11:00~19:00。水曜・木曜定休。
「岸田劉生・切通しの坂」へ
店を出て右に進む。
十字路を過ぎてさらに直進する。
突き当りを右折し、坂道を上がる。
右側一本目の横道角に坂道の説明柱が立っている。
十字路を過ぎてさらに直進する。
突き当りを右折し、坂道を上がる。
右側一本目の横道角に坂道の説明柱が立っている。
2「岸田劉生・切通しの坂」かつては未舗装道路と石垣
東京都渋谷区代々木四丁目
洋画家の岸田劉生が大正4(1915)年に描いた「道路と土手と塀(切通之写生)」という油絵はこの坂道を写生したものだ。この絵は重要文化財に指定され、現在は東京国立近代美術館に収蔵されている。劉生は大正3(1914)年から大正5(1916)年にかけて代々木山谷117(現在の代々木1-46-2)に住んでおり、散歩で見つけた風景を絵にしたといわれている。
「駒テラス西参道」へ
説明柱を過ぎてさらに坂道を上がる。
右側一本目の横道に入り直進する。
表通りに出たら左折して進む。
首都高速の高架をくぐり大通りに出ると、左右に木造風の建物が並んでいる。
まず右側にあるギャラリーに入り、そのあと戻って左側にある建物を見学する。
右側一本目の横道に入り直進する。
表通りに出たら左折して進む。
首都高速の高架をくぐり大通りに出ると、左右に木造風の建物が並んでいる。
まず右側にあるギャラリーに入り、そのあと戻って左側にある建物を見学する。
3「駒テラス西参道」首都高の下で将棋
東京都渋谷区代々木四丁目
日本将棋連盟と渋谷区が共同で運営する施設で令和2(2023)年にオープンした。将棋に親しみながらくつろげる場所づくりや地域の魅力発信を目ざしている。日本将棋連盟の本部である将棋会館は同じ渋谷区の千駄ヶ谷にあって知名度も高いが、こちらの知名度はもう一歩か。小さいながらもギャラリーやショップもあり、トイレやベンチの利用もできる。火曜定休。
「代々木地域安全センター前」へ
駒テラスを左に見て、大通りを進む。
次の信号「代々木地域安全センター前」で、横断歩道を渡ってから右折し直進する。
次の信号「代々木地域安全センター前」で、横断歩道を渡ってから右折し直進する。
「高野辰之住居跡」へ
信号「代々木三丁目」をこえて直進する。
少し先、歩道右側に説明柱が立っている。
少し先、歩道右側に説明柱が立っている。
4「高野辰之住居跡」唱歌「春の小川」の作者
東京都渋谷区代々木三丁目
国文学者の高野辰之は演劇史・歌謡史の研究者であり、東京音楽学校(現・東京藝大)教授を務めた人物だ。また、「ふるさと」「春が来た」「朧月夜」など数多くの文部省唱歌を作詞したことでも知られている。その中のひとつ「春の小川」は自宅近くの田園風景を詞にしたもので、かつて流れていた小川「河骨川」がモデルらしい。説明柱の前にある住宅に「高野」の表札がかかっているが、親族の方かどうかはよくわからない。
「代々木四丁目付近」へ
来た道を引き返し、信号「代々木地域安全センター前」まで戻る。
大通りを渡って右に進む。
一本目を左折する。
大通りを渡って右に進む。
一本目を左折する。
「春の小川(河骨川)水源地」へ
来た道を引き返し、信号「代々木地域安全センター前」まで戻る。
大通りを渡って右に進む。
一本目を左折する。
首都高速の高架をくぐり、すぐ先を右折し坂道を下る。
道なりに左に曲がって進むと、3本目の電柱上部に「春の小川水源地」の看板がある。
大通りを渡って右に進む。
一本目を左折する。
首都高速の高架をくぐり、すぐ先を右折し坂道を下る。
道なりに左に曲がって進むと、3本目の電柱上部に「春の小川水源地」の看板がある。
5「春の小川(河骨川)水源地」消失した水源の池
東京都渋谷区代々木四丁目
明治の中頃、旧土佐藩主・山内侯爵家がここに東京邸を構えた。谷戸地の奥にあたるこの場所には湧水があって山内邸の庭園の池になっていた。この池を水源として流れ出していたのが河骨川(春の小川)である。池があったのは電柱看板の向かい側にあるマンション「代々木参宮橋COURT.ADERION」の裏側である。山内家が去った後も池は残されていたが、マンション建設工事のため平成14(2002)年に埋め立てられた。
「支流合流点1」へ
水源地前を過ぎ直進する。
突き当りを左折して進む。
突き当りを右折して進む。
横断歩道のある十字路を直進する。
すぐ先の丁字路が河骨川のもう一つの支流との合流点だ。
突き当りを左折して進む。
突き当りを右折して進む。
横断歩道のある十字路を直進する。
すぐ先の丁字路が河骨川のもう一つの支流との合流点だ。
b支流合流点1
東京都渋谷区代々木四丁目
河骨川にはいくつかの支流がある。ここを直進すると西側に続く谷を遡り、山手通りを越えた先にもう一つの水源があった。ここは先ほどの水源からの流れと、西側の水源からの流れが合流するポイントだった。
「春の小川(河骨川)用水路跡」へ
合流点の丁字路を左折して進む。
表通りに出たら、直進方向の一本右側にある細い路地を進む。
表通りに出たら、直進方向の一本右側にある細い路地を進む。
6「春の小川(河骨川)用水路跡」複数あった用水路
東京都渋谷区代々木四丁目
大正時代中頃まで、この辺りには河骨川の水を利用した水田が広がっていた。水田に効率的に水を供給するためには川の本流以外に給水・排水のための用水路が必要になる。この細い路地はその用水路のひとつだった。大正末期には周辺の田はほとんど無くなったという。同じ頃に本流以外の用水路も廃止され埋められた。残された本流も昭和38(1963)年には暗渠化されて現在に至っている。
「支流合流点2」へ
途中わずかにカギ型に曲がっている路地道を通り抜け、表通りに出る。
直進する道(進入禁止の標識がある)の一本左側の道(春の小川暗渠)に入り直進する。
二つ目の十字路角の電柱に「春の小川・この道」の表示がある。そのまま直進する。
奥まで進むと、小田急線の線路に突き当たる。
直進する道(進入禁止の標識がある)の一本左側の道(春の小川暗渠)に入り直進する。
二つ目の十字路角の電柱に「春の小川・この道」の表示がある。そのまま直進する。
奥まで進むと、小田急線の線路に突き当たる。
c支流合流点2
東京都渋谷区代々木五丁目
春の小川(河骨川)は小田急線の線路の下をくぐり向こう側に出たところで、参宮橋駅方向から流れてきたもう一つの支流と合流していた。参宮橋駅付近は小さな谷になっていて水が湧き出していたのだという。かつては線路をくぐる水路が見えていたが、今は暗渠化されてよくわからない。
「春の小川・線路沿い、表示電柱」へ
左方向へ線路沿いに細道を進む。
右にある踏切「参宮橋1号」を渡る。
大通りに出たら右に進む。
歩道左に立つ電柱に「春の小川・線路沿い」の案内表示がある。
右にある踏切「参宮橋1号」を渡る。
大通りに出たら右に進む。
歩道左に立つ電柱に「春の小川・線路沿い」の案内表示がある。
d「春の小川・線路沿い」案内表示
東京都渋谷区代々木四丁目
小田急線の線路を越えた春の小川(河骨川)は、この歩道よりもっと線路に近いところを流れていた。暗渠化された後、線路沿いの土地の上にはビルやマンションが建築され、かつての流路を辿ることはできなくなった。電柱の「春の小川・線路沿い」表示板はそのことを示している。表示板は、同じものがこの先にあと3つ続いている。
「参宮橋3号踏切付近」へ
歩道をそのまま直進する。
2本目・3本目・4本目の「春の小川・線路沿い」案内表示を過ぎる。
信号「青少年センター前」の手前、右にある脇道に入る。
すぐ先の十字路を直進、狭い道を直進する。
踏切「参宮橋3号」の横に出ると、直進方向に「春の小川・この通り」の案内表示が見える。
2本目・3本目・4本目の「春の小川・線路沿い」案内表示を過ぎる。
信号「青少年センター前」の手前、右にある脇道に入る。
すぐ先の十字路を直進、狭い道を直進する。
踏切「参宮橋3号」の横に出ると、直進方向に「春の小川・この通り」の案内表示が見える。
「春の小川歌碑」へ
直進方向、春の小川(河骨川)の暗渠通路を直進する。
先に進むと、左側に小階段があるので上がる。
右に進むと石碑がある。
先に進むと、左側に小階段があるので上がる。
右に進むと石碑がある。
7「春の小川歌碑」元の歌詞は文語調
東京都渋谷区代々木五丁目
「春の小川」がここを流れていた河骨川であることを後世に伝えるため、地元の篤志家:井伊氏が昭和53(1978)年に建造し渋谷区に寄付した石碑である。刻まれた歌詞は「さらさら流る」「ささやく如く」など文語調になっている。昭和17(1942)年に小学校低学年でも歌いやすいようにと、文部省が口語調の歌詞に一部変更した。石碑には発表当初の歌詞が刻まれている。
「はるのおがわコミュニティーパークトイレ」へ
歌碑の前から道を戻り、右に回り込むように進む。
右側に公園広場の扉があり、扉の横にある出入り口から中に入る。
広場にモダンなトイレが設置されている。
右側に公園広場の扉があり、扉の横にある出入り口から中に入る。
広場にモダンなトイレが設置されている。
8「はるのおがわコミュニティーパークトイレ」ガラス張りでも大丈夫
東京都渋谷区代々木五丁目
渋谷区が中心となって運営する「THE TOKYO TOILET」という取り組みでつくられた公衆トイレ。渋谷区内に17か所設置されていて、16人の建築家やクリエーターが設計を手がけた。このトイレは建築家の坂茂氏の手によるもので、普段は壁が透明だが中に入ってカギをかけると不透明になるという仕掛けが施されている。
「参宮橋5号踏切付近」へ
トイレの前を過ぎ、そのまま広場内を直進する。
広場を出たら右に進む。
道を渡った先にある踏切(参宮橋5号)に向かう。
踏切(参宮橋5号)手前を左折して、暗渠道を進む。
広場を出たら右に進む。
道を渡った先にある踏切(参宮橋5号)に向かう。
踏切(参宮橋5号)手前を左折して、暗渠道を進む。
「暗渠路地の壁画」へ
表通り(右に踏切:参宮橋6号)に出たら、斜め左「春の小川」案内表示のある道を進む。
途中で道が左右に分かれるが、左の道を進む。
少し先で再び道が分かれるが、左の道を進む。
すぐ先右側の壁に絵が描かれている。
途中で道が左右に分かれるが、左の道を進む。
少し先で再び道が分かれるが、左の道を進む。
すぐ先右側の壁に絵が描かれている。
e暗渠路地の壁画
東京都渋谷区富ヶ谷一丁目
この建物は「代々木公園アートスタジオ」といって、4歳児から小学校6年生までの子どもを対象にした美術教室だ。絵画だけでなく工作や粘土造形なども指導しているという。表の壁画は教室に通う子どもたちの作品で、建物の裏側にも続いている。
※2025年9月まではこのような壁画がありました
※2025年9月まではこのような壁画がありました
「宇田川との合流点」へ
壁画を過ぎて直進する。
すぐ先に十字路がある。直進方向の細い路地を進む。
表通りに突き当たる。
すぐ先に十字路がある。直進方向の細い路地を進む。
表通りに突き当たる。
9「宇田川との合流点」春の小川の終点
東京都渋谷区富ヶ谷一丁目
表通りにはかつて「宇田川」が流れていた。春の小川(河骨川)はここで宇田川に合流して終わる。宇田川は通りの左方向が下流で、暗渠は遊歩道となって渋谷駅方面に向かい、最後は渋谷川に合流する。
「メトロ代々木公園駅・小田急線代々木八幡駅」へ
突き当りの合流点を右に進む。 商店街に出たらさらに右に進む。
商店街をしばらく進むと、右側に地下鉄の入り口がある。
商店街をしばらく進むと、右側に地下鉄の入り口がある。
10東京メトロ千代田線「代々木公園駅」
東京都渋谷区富ヶ谷一丁目
出入口1
小田急線「代々木八幡駅」南口
東京都渋谷区富ヶ谷一丁目
さらにその先に進むと、小田急線の駅に上がる階段・エスカレータがある。

